ホームセンター等で小瓶に入れられて販売されている、4cmほどの上画像のような色鮮やな魚を目にした事はありませんか?
そのお魚がベタです。
小さい容器に入れられて狭くてボッチでかわいそう…。
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ベタは闘魚とも呼ばれています。
縄張り意識がとても強い魚なので、雄同士を同じ容器に入れてしまうと、たちどころに戦い始め、あっという間に美しいヒレがボロボロに…なんて事に…。
単体飼育がベタを飼育する時のお約束なのです。
せっかくの美しい魚なので、綺麗なまま大切に育ててあげたいですよね。
どうしても混泳させたいのであれば、他種類の魚で、縄張りを主張する個体でなければうまくいくことも。
私も60cm水槽で過去に群衆が美しい、ランプアイやネオンテトラ等と泳がせていた事もあります。
ベタは美しいというのはもちろんですが、とっても愛嬌があり、懐く魚なんです。
懐く?とはてなが飛ぶ方がいらっしゃるかもしれませんが、この度久々にベタちゃんずをお迎えいたしましたので、これを機にベタの魅力をお伝え出来たらと思い記事にいたしました。
べタとは
ベタの正式名称は「ベタ・スプレンデンス」
生息地はタイのメコン川。
べタの寿命は2~3年。
小さな個体なので、仕方ありませんが短いです。
ベタは「上鰓(じょうさい)器官」という特殊な器官をもっています。
この器官は複雑な形をしているため、ラビリンス器官ともよばれています。
べタのラビリンス器官って?
このラビリンス器官いうのは鰓呼吸以外に肺呼吸のような役目を果たしてくれるもの。
空気中の酸素を取り込む事ができるので、水中に酸素が少ない小瓶でも生きていられる=小瓶でも飼える魚という認識になってしまったようです。
なぜこのような器官があるかですが、ベタの生息地メコン川は水温が高く、水中の酸素濃度が低い。
こんな過酷な環境下で生き抜く方法として、この器官を発達させていったようです。
小さな小瓶で飼育というのは、過酷な環境下で飼育しているようなもの。
なので、出来るだけ広めの飼育容器で飼う、もしくは水質に気をつけての水換えに気を配ってあげましょうね。
ベタの種類
トラディショナル
一般的によく見るベタがこちら。
ベールテールとも呼ばれていて、ベタの入門種と言えるのではないでしょうか
ホームセンターなどで販売されているのはほぼこちらの種です。
比較的値段が安めです。
私も初めて飼ったベタがこちらでした。
クラウンテール
ヒレの部分が王冠に見えるとの理由でこの名がついています。
ゴージャスな印象のベタ。
派手な見た目ですが、一番の特徴クラウンのようなヒレが刺々しく、個人的に少し苦手な種類だったりします。
キングテールやコームテールのように、ヒレの別れ方により呼び名が違う種もいます。
ハーフムーン
フレアリングの際にヒレが180cm以上に開くことがハーフムーンの特徴です。
こちらのベタはヒレが長くてとてもゴージャスなベタ!
値段もあわせてゴージャス。
あまりにゴージャスなので、庶民の私には手が出ないというか、出せないというか。
ヒレが長いので、管理が大変な種です。
ワイルド
ベタの原種。
原種だけあって野性味溢れる地味なものから、単色特化で美しいものと様々。
ワイルドに至っては50種類以上もいるそうで、ベタの世界は奥が深い。
泡巣を作って卵を育てるタイプと、口の中で卵を育てるマウスタイプがいます。
マウスタイプもとても魅力的、一風変わった子育てを一度は自分で試してみたいという気持ちもあったりします。
プラカット
名前の由来はタイの言葉で「プラ」=魚・「カット」=噛むで「プラカット」
ワイルドから闘魚用に品種改良された種。
私の愛する種類がこちら。
尾ひれがワイルド(原種)に近く短いタイプのベタ。
始めてみた時、あまりの美しさに一目惚れしてからもう、うん十年…。
自分で言うのもなんですが、一途なもので…。
最初に一目惚れしたプラガットが個人的にはナンバーワン。
飼育するのも今も、これからもこの種だけ。
その他のベタ
ダブルテール=名前の通り尾ひれが2つに別れているタイプのベタ。
ダンボ=胸ヒレがディズニーのゾウのお話、ダンボの耳のように大きくなっているタイプのベタをこのように呼びます。
ジャンボプラカット=通常4cm ほどのプラカットですが、大きくなると10cmほどにもなるようです。
2倍以上…迫力ありますよね。
最近はかなりカラフルなものが出ているようで、私のもっぱらの入手手段のヤフオクでも、鯉カラーやマーブル、それこそプラカットと同じくらいカラーバリエーションが増えてきています。
スーパーデルタ=名前の通り、ヒレがデルタ(三角形)に広がるタイプのベタ。
尾ひれの開く角度が120度~180度の種の呼び名。
フルムーン=ダブルテールのフルムーンで、ヒレを広げると満月のように見えることからの命名です。
ハーフムーンとダブルテールとの掛け合わせで生まれた種で、こちらもひらひらゴージャス。
ヒレの管理は本当に大変だと思います。
品評会で賞を取る個体は本当に神々しいです。
鯉ベタ=錦鯉のような体色のベタの呼び名。始めて見た時は衝撃でしたよ。
人気の種でお値段も高く、オークションでいつも競り負けてしまい、まだ飼育したことはないですが、いつかお迎えしてみたい!と思っているベタちゃんです。
この他にもまだまだ知らないベタの種もありますし、品種改良されこれから新しいベタちゃんが出てきたりするかもしれません。
今回ご紹介したベタの種は、2021年の時点でメジャーなものと思っていただければと思います。
入手手段
入手は都会であれば専門店もあるので容易と思いますが、私もように田舎に住んでいるとペットショップに行っても気に入った種・カラーはほとんどいません。
なのでネットでショップ購入、もしくはオークション等で気に入った子を落札という手段で入手しています。
良い子がお迎え出来たら全力で飼育するのみ!
ベタの飼育方法
容器
水槽でなく、そこそこの容器で飼育するなら水換えも容易、ただし水換え頻度は多くなります。
もちろん水槽で飼育できるのであれば、それに越したことは有りません。
その際、水流には弱いので緩やかな水流に調節してあげて下さい。
飼育容器の大きさですが、店で小瓶で売られていたからと言って、同じくらいの大きさの容器での飼育はおすすめ致しません。
美しいヒレの状態の維持をするための難易度も上がりますし、水質・ストレス・病気になるリスク・寿命等々ベタにとってもあまりいい事はないので、避けておいおたほうが無難です。
ちなみに私はたくさんお迎えした今回は、ダイソーで購入した2.1Lのピッチャーで飼育しています。
取っ手がついているので水換え時にも便利なんですよ。
現在最適な水槽を散策中。
適正Ph
弱酸性:3.0~6.0未満
水変え頻度
飼育環境によって異なってきますが、水が濁ってきたかな?と思ったら変えたので大丈夫です。
デカスポイトで毎日気になる汚れを吸い取り、餌も食べ残しているものは同じくスポイトで回収します。
そして水が汚れてきたと思ったら、作り置きしているブラックウォーターと全替えしています。
1,8Lほどの水量なので、目安としては3~4日ほどのスパンで交換しています。
え!3~4日で水換え!?面倒くさい!と思うのであれば、小型の水槽(10Lくらい)でフィルター付き+弱めのエアレ-ション環境下飼育であれば1ヶ月くらいはもっていたという経験も過去にあり。
この時の水作りは、ブラックウォーターではなく、水道水にカルキ抜きを入れての使用でした。
ブラックウォーターとは
ベタは丈夫ですが水質管理にか気を配るようにしましょう。
繁殖の際のみならず、普段に使う水も出来るだけベタにとって最良の水を使うためにブラックウォーターを作り置きしています。
ブラックウォーターというのはアマゾン川の水を再現した琥珀色の水のことです。
ブラックウォーターにはタンニンが豊富に含まれており弱酸性の水質となります。
タンニンには殺菌作用があるので、病気予防にもなり、魚の色揚げ効果にもなるそうです。
繁殖の時にも卵がカビにくくなるという事などを知ってから、必ず使用するようになりました。
こちらもブラックウォーター作る水のような商品もありますが、私はもっぱら上の写真のマジックリーフ、もしくはアルダシードを使ってブラックウォーターを作っています。
上の商品を使うなら、むしろ汲み置き水を使うより、水道水にカルキ抜き剤を使用するほうが効率的かと。
状況にもよりますが、もっぱらアルダーシードは普段の水換え用で、マジックリーフは繁殖用に使っています。
繁殖用にマジックリーフを使うのは、葉が雌の隠れ家になってくれるというのと、微生物が湧きやすいかな?という理由からです。
今回お迎えした子達は皆状態が悪かったので、アルダーシードの水を作り、各ベタ飼育容器の中にマジックリーフを入れ、少し塩も入れています。
当然水の色が茶色になるので好みがあるとは思いますが、ナチュラル感が増すように思えるので個人的には好きです。
ちなみに茶色ですが泥水のように濁りは有りません。
ベタの飛び出しに注意
ベタはあまり水位を高くしすぎると、ジャンプして飛び出てしまい、死んでしまう事があります。
本当によくあるんです。
なので飼育容器に飛び出し防止のための蓋をすることを強くおすすめいたします。
かくいう私も、過去に何度か失敗したことがあります。
このくらいの水位だったら大丈夫だろうと思っても、以外に飛んじゃうんです。
上の漫画の時は90cmの水槽の上に小水槽を何個か置いてベタを飼育。
帰宅したら水槽からかなり離れたところになにか黒い煮干しのようなものが。
何これ?と近づいてみると変わり果てた姿のベタちゃんが…。
という経緯でした。
ベタの餌
餌はベタ専用のものが売られていますのでそちらで十分かと。
面倒でなければ、赤虫でもOK。
冷凍赤虫は水が汚れやすくなりますので、水換え前のおやつ程度にあげるとかでないとフィルター無しの環境下では毎日水換えするはめに…。
私は乾燥赤虫をピンセットで小さく作ちぎっておやつ程度に上げるくらいにしています。
私は飼育個体数が多いので、内容量の多いテトラの餌を与えています。
赤虫は他にもお魚飼育しているため、冷凍・乾燥ストックしています。
元気のいいベタはめちゃめちゃ食いしん坊なので、餌をすごく欲しがります。
お~!いい食いっぷりやね~なんて欲しがるだけあげるのはだめ。
その理由は、便秘になったり、脱腸することもあるからなんだそうです。
私の餌やりの方法ですが、1匹に付き3粒ほど5匹に順番にあげていき、5匹目の給餌が終わったら最初の子に戻って、それぞれの子の様子を見ながら1~2粒追加するかしないかという感じです。
それを朝と晩の1日2回。
もちろん食べ残していたらすかさずスポイトで回収。
水を汚さないために必要なことです。
餌の種類やベタの大きさ年齢によって、違ってくると思いますので、餌やりは毎回ベタの様子を見ながら、少しずつあげて食べ残すようなら回収でよろしいかと。
適温水温は25~28℃冬はヒーターを
ベタの適温水温は25~28℃。
熱帯魚ですので、冬にはヒーターが必須です。
たくさん個体を抱えている時は60cmの水槽に半分くらい水を張って、その中にヒーターを沈めて飼育容器を並べて飼育していましたね。
フレアリング
フレアリングというのは威嚇する時にヒレを広げて身体を震わせるのですが、その様の事を言います。
ヒレを萎縮させないためにフレアリングは必要なので、1匹以上飼育しているなら容器を近づけて、上の画像のようにフレアリングさせると良いです(写真下手ですみません)
1匹飼いなら、鏡を見せてあげると同じ効果が得られます。
ただしあまりさせすぎるとストレスになりますので、数匹飼育している場合は容器を常時隣接させておくのはやめましょう。
やむを得ず置く場合は、目隠しの仕切りを立ててあげるといいですよ。
餌をあげる時や、癒やして~と容器を除くとおっ?とばかりに目が合い、ふりふりとフレアリングでリアクションしてくれたり、寄ってきてくれたり、そりゃもう可愛んじゃがねw
ベタの病気
ベタの病気の種類として管理人が過去にやらかしたことがあるものをあげます。
- 尾腐れ病=ヒレが白くにごり、悪化するとヒレがどんどん溶けてんボロボロになってしまいます。
- ポップアイ=主にエロモナス菌という感染症により、目が飛び出てしまう症状です。
- 水カビ病=ベタ身体に水カビが生えて白っぽくなっていきます。
- 松かさ病=鱗が松ぼっくりのように逆だって、その見た目にこちらも逆だってしまいます。
これらの病気になった時は、塩浴・薬浴を試みるという手段となりますが、いずれも症状が出てしまうとなかなか完治させるのは難しいです。
痛々しですし、日に日に弱っていく様を見るのは本当辛い…。
治療のための薬も一応紹介しておきますが、過去に使用して直せたことは一度も有りません。
なので薬も所持していますが、効き目を実感できませんでしたので紹介は控えさせていただいます。
病気にさせないのが一番なので、毎日の餌の食いつきや動きなどを確認して、水質管理に気を配るにつきますね。
ベタの繁殖
更に上級者?ともなると、この個体の美しさを残したい!と思うようになります。
ここが大変!
- まずペアリング。
- 次に卵が孵化するまで。
- そして稚魚が孵り、餌付くまで。
- それから人工フードを自力で食べれるようになるまで、毎日せっせとブラインシュリンプ沸かし。
一度経験したら、大変なのに不思議といいペア入手してまたやるか~!って気になるんですよ。
繁殖に関しては興味ある方ない方分かれるかと思いますので別記事に致します。
かきあげましたら誘導ウィンドウを後日貼ります。
是非一度は見てほしい交尾
ベタの交尾はとても情熱的です。
雄が雌の体に巻き付いて、包容するというか抱きしめるというか…。
しばらくすると離れるのですが、雌が半ば失神しかけながら卵をポロポロと産み落とし、雄がその卵を拾ってせっせと泡巣に持っていくんです。
それを何回か繰り替えすのですが、とっても見ごたえがあります。
動画撮れたらYou TubeにUPしたいなぁ~。
とは言え今雌は飼育下にいないのと、ペアリングや季節もあり、うまくいった時の稚魚の世話等々の条件もあるので、なかなか簡単にはいきませんが機会あれば是非上げたいと思います。
写真は過去の繁殖時のものです。
ペアによって稚魚のカラーも変わってきます。
色んなカラーが出てきますので、こちらも楽しみ方の一つ。
ようこそべタ沼へ!飼育の注意点まとめ
- 初心者であれば、飼育容器は最低でも2Lは確保できるものを準備しましょう。
- 単体飼いは鉄則です。
- 餌のやりすぎには注意。
- エアレーション使用の際は水流に注意(極力弱めに)
- 水質に気を配って定期的に水換えを。
- たまにフレアリングをさせ、ヒレが萎縮のを回避しましょう。
- 数匹飼いで水槽を隣接させて並べるなら目隠しをしてあげましょう。
※ストレス回避のため
簡単小瓶で気軽に飼えるという謳い文句で販売されているベタですが、水換えに関してはかなり気を使うし面倒くさいです。
一目惚れで飼い始めた当時はネット環境もなく手探りでの飼育でした。
今は自分なりの飼い方もありつつ、より良い方法があるかとネット散策したりと。
ベタは飼育してみるとびっくりするほど懐くので、その可愛さにのめり込み、繁殖まで手を染めてしまったりとすっかりしっかり沼にハマりましたなぁ…。
メモ
ちなみに。
上の画像のペアで繁殖した時の子どもたちは皆両親と同じカラーでした。
この時にペア作る時は、大きくなると色んな色が出る可能性のあるペアで繁殖しようと心に決めました。
毎回の飼育や繁殖に発見があり、飼育の大変さ以上に癒やしとして、心の活力として、自分への見返りが大きいんですよね。
ドボン沼にハマってしまった場合の責任は取れませんが、小さな体で全力でアピールしてくれる愛嬌たっぷりのベタを見て、こちらもほっこり癒やされます。
ベタってどんな魚なの?飼いやすい?と気になっている貴方に少しでもベタの魅力が伝わり、少しでも飼育の参考になれば幸いです。